今年の最後 2016

Date: 27th 12月 2016 / Author: NOBU / Category: Things

BLOG、久しぶりです。。
HPリニューアルしてから、かなり時間がたちましたが、
まさかのリニューアル後、初のBLOGは、本年最後の
ご挨拶をさせていただく事になりました。(笑)

本日をもちまして、今年最後の営業とさせていただきます。
この一年、皆様の変わらぬご愛顧を賜りまして、ありがとうございました。

今年はなんと言っても、ZUIUN2号店となる金沢店のOPEN一色で
染まった一年でした。2号店計画の草案から、8月25日のOPENに至るまで、
紆余曲折を経て約4年越しの夢が現実となった年です。

金沢店の工事現場には、早朝から夜中まで職人さんが交代しながら現場に入って
くださって、夏の暑い中、それこそ休みなく何人も熱中症になりながら2号店の
完成に尽力して下さいました。

着工前の現場は、今のお店からは想像もできないくらいのボロボロの工場物件でした。
職人さん達もどういうものが出来上がるのか全く見当もつかなかったと思います。。
それは、ZUIUNのスタッフ達も同じで、どんな店になるんですか?ってよく
聞かれました。でも・・自分自身も最初から全てわかってなかった。。
そのくらいインスピレーションの赴くまま、細かい寸法やディテールは、
完成イメージを直接職人さん達に伝えていくような、無駄の多いやり方ですすめていきました。

そんなやり方って、建築現場では決してやってはいけないタブー行為なんです。
建築現場だけではなく、共働作業では、と言った方がいいかもしれませんが、
そんな事、自分だってわかってる。。でも嫌われるの覚悟で色々無理言いました。
これまでのZUIUNになかった新たな表現が実現できる店を作りたい!
そんなぼんやりとした形のないものに形をつけて行く。とても図面上では考え
切れなかった。
だから自分の中には見えてる店づくりのコンセプトと方向性を、それをちゃんとした
計画として周りに示せない苛立ちや、焦り、孤立感や情けない気持ちはいまだに
忘れてはいないけども、それは悪い事と捉えてなくて、むしろあれで良かったんだと
思っています。
(こんな事いうと職人さん達や、スタッフのみんなから反感を買う事になって
しまうかも。そうとう周りを振り回したので。。)

でも、自分には金沢店のOPENは、ZUIUNの新たな飛躍に繋がるという信念
や熱い思いがあったから、無駄であろうが、疲れていようが、なりふりかまわず
やれたんだと思うし、建築設計の仕事をしている立場で言うのもなんですが、完成した
店を見て、こんなの図面にかける訳なかったなって思いましたもん。。
たとえ詳細を詰めた図面があったとしてもほとんど変更になってたんじゃないかな?
それはそれで、大問題になったかも知れませんが、それでも職人さん達は、嫌々で
あろうが現場と向き合ってくれました。本当に感謝してます。

あの、お化けが出そうなくらい気味が悪かった工場がちゃんとお店に生まれ
変わりましたからね。

そして2号店OPENに際し、スタッフの人数も倍増し、社歴の浅いスタッフとの
コミュニケーションや社内の各セクションの意見調整もままならないまま、
とにかく理想の箱(場所)を造らねば!と、ロードマップも無い行程をひたすら
前に突き進むような荒い運転をせざるを得ない状況をつくってしまい、スタッフ
のみんなには本当に苦労をかけてしまったと反省しきりの船出となってしまいました。

 

思えばZUIUNの創業期は、ちょうど10年前のこの時期です。

創業メンバー総出でペンキ塗ったり、外壁に苔を貼ったり、当時の5人は寒風吹きすさぶ中、
扉も無い事務所で、失敗のリスクなんてこれっぽっちも考えずに、3月OPENに向けて準備を
すすめていたと、面白おかしく話していたのを思い出しました。
そんな大変な状況下で、みんなの思いをまとめていたのは「将来への希望」しかなかったのかなと思います。
僕はそこには参加できませんでしたが、僕がOPENから半年後にZUIUNに加わった時には、
もうすっかりアットホームな家族のようなチームができあがっていて、なんだかうらやましかった
記憶があります。

現在のZUIUNの環境と比べると、当時はなんにも無かったし、できる事も限られていたけど、
やりたい事は自分から進んでやってみる事ができたし、それこそ無駄な事もいっぱいやって
きたけれど、それがZUIUNをつくっていってるような気がしてました。
(手作りで「ミニ本」ていう小さな住宅の写真集作って配ったりして。。なんの効果もなかったけど。。)

当時の狭い事務所で、仕事で失敗した話をみんなで大笑いしたりして、本当に寛容で思いやりがある
家族のようなチームだったし、仲間意識がつよかったなって思います。
多分その当時はとても無知だったから、取引メーカーさんや職人さんたちも、そんな僕たちを暖かい
目で見守ってくれていたんだろうなと思います。知らぬが故の無茶振りみたいな事はいっぱいしてましたから。。

設計事務所がインテリアショップを併設するといった事が当時ではまだ珍しかったし、誰もやってない
事に躊躇せず全力で取り組めたのは、ZUIUNだからこんな事も、あんな事も素敵にできるんです!
みたいな、「根拠のない自信」がスタッフ一人ひとりの中にちゃんとあって、アイデンティティになって
いたように思います。

「ZUIUNですもん!」みたいな。。

ZUIUNさんて何屋さんなんですか?って聞かれたときに、設計事務所でもなく、家具屋さんでもなく、
○○屋さんです!って感じのニュアンス言いたくなくて、形容しがたい特別な思いが顕在化したような。。
そんな部分も含めて「ZUIUN」ですって言いたかった。
当時からZUIUNはもっともっと変化していくんだろうなと思っていたので、なにか決まった「顔」を
持ちたくなかったんだと思うんです。

だから僕自身も、お仕事なんですか?って聞かれたら、「建築の設計してます。」と言うのはどうなのかな?
て思ってるところもあって、「豊かな暮らしにつながる事全般を仕事にしてます。」って言いたいのです。

ZUIUNにお越しいただいたお客様の暮らしや日常の中に、ほんの少しでもいいからZUIUNの提案が
浸透していって欲しいし、それによって日々の豊かさを感じ取っていただきたい。
それが住宅であったり、家具や雑貨であったり、何がその人の人生の豊かさに繋がっていくか分からないけども、
自分達が本当に本気でいいなと思える「モノ」や「コト」の提案が影響してもらえたらいいなと、本気で思ってました。

だから、面白いアイデアもいっぱい湧いてきたし、それによってめんどくさい事も結構真面目に取り組んでました。
やらされる側からすると、だいぶ迷惑な話です。でも、本当に自分達が楽しんで仕事してたなって思います。

そんな中、会社の規模が大きくなってきて仕事量も増え、スタッフもどんどん増えていくにつれ、
迷惑をかける事を恐れては何もできなかった時代から、迷惑をかける事を躊躇して、だんだん
やりたい事ができなくなってしまった時代になっていった気がします。

立場とか責任とか、「もっとこうあるべき」みたいな体面的な事だったり、合理性や守備範囲
を考えだして働きだしたり、いろんな所に線が引かれていったのかなと思います。
勝手につくられた虚像に悩まされて、言いたい事も言わなくなったり(言えなくなったり)ネガティブワールド
が広がった時期もありました。(現在進行形かも?それが虚像なのかな。。)

そんな問題意識みたいな事は、まだ解決しないままどっか腑に落ちずにくすぶってる。。

そういう意味では2号店のOPENて、これからのZUIUNにはとても大切な出来事だし、
ZUIUNのあるべき姿を、少し立ち止まってみんなで考え直す機会なのかなって思います。

10年前の創業期のZUIUNと現在のZUIUNは、僕から見たら、まったく違う会社の
ように見えるけど、10年前からの思いは今なお、全くぶれてないし、これからもずっと
変わってはいけない大事な事だと思ってます。

豊かな暮らしとは何か?決して特別なものの中にそれがあるとは思っていません。
そして人によってその価値観だってバラバラです。

それぞれの中にある「豊かな暮らし」をZUIUNなりの解釈で提案できるような、お客様に
とって多くの中のたった一つの選択肢でしかないけれど、そのたった一つの選択肢を
導き出す為に、とても大きなパワーと熱量をもって取り組める集団(ZUIUN)になりたい
と思うのです。それが我々の「ビジョン」なのかなと。

社会貢献とか大きな事ではなく、ひとりのお客様の心に響いていただけるような幸福感
を提供できれば、自分自身も豊かになれるんじゃないかと思えるのです。

立派な人は、自分から「立派です」とは言いません。立派な人間になれるように日頃から
研鑽を積んでいる人がなれる権利があるというだけでしかありません。

「豊かな暮らし」もそれと似たようなところがあるように思えます。何が豊かさになるのかを
日頃から考えて、そうなるように実践した人に、豊かさの権利が与えられると思うのです。

今いるスタッフのみんなには、そんなモチベーションをもっていて欲しいなと思います。
そして、そんな空気をみんなに振り撒いて欲しいなあ。

第二の創業の年となったZUIUNですが、まだまだ幕が上がったばかりです。
設計事務所とインテリアショップであったZUIUNから、衣食住全てが提案できる場所も
持てるようになりました。特に食事の場所はZUIUNを体感していただける場所として設けました。
でもまだまだ理想の形とは程遠い部分もあります。十分表現できる箱ができたと思っているので、
あとは単なる箱から特別な場所に変換できるように、来年からは少しずつやるべき事に取り組んで
いかねばならないですね。

最後に。

大所帯になったから、会社が大きくなったという事は全く思ってなくて、単純に取り扱う
金額が多くなっただけ、逆に大所帯になった事で、ZUIUNが思い描く理想の形から
離れて行ってしまうようではまったく意味がないわけで、成長でもなんでもないと思ってます。

新生ZUIUNではあるけれど、創業以来の「ビジョン」を継承しつつ、それに向かって
行動する事で、初めて社風ができて企業文化ができていくのではないのかな?

明日は、忘年会です。
24人で予約しました。(そのうち一人はO.B)

正直、そんなにいるんだって思っちゃいました。
これからの社風をつくっていくのは、今いるメンバーだし、大いにはしゃいで伝説つくろう!
そして、10年後、20年後に、ちゃんと伝統みたいなものができているような歴史を刻んで
いけたらいいな。

身内に発信している部分もありますので、読みづらい点はご了承くださいませ。

 

それでは皆様、来年も、チームZUIUNをよろしくお願いいたします。

来年の営業は1月7日(土)からとなっております。

それでは、皆様、良いお年を!

 

NOBU